応用編 JIG HEADの製作

注意: 低融点合金(鉛など)の取り扱いについて

●低融点合金は、健康に有害な物質を融合してます。溶解時に発生する蒸気を吸いこまないように作業中はマスクを着用し、取り扱いには十分注意してください。

●作業中は、高温になりますので、保護メガネ、保護手袋、前掛け等を着用し、火傷に注意して作業を行なってください。


シリコーン2001を使いジグヘッドを製作します。
ここでは、基本的な鉛鋳造を図解で解説します。
この応用でスピナーベイトヘッド、シンカー等の製作も可能です。工程を参考にチャレンジしてください。

準備するもの

溶解用容器=今回は、鍋を使用
JIGヘッドシリコン型
フック
ヒートン(アイ成型用)
ステンレスワイヤー=JIGヘッドのタイイングアイ部分製作用。#22番手が適当な太さ
サンドペーパー
プライヤー
ヤスリ
ハンダOR鉛=今回は、ステンレス用ハンダを使います。
エポキシパテ木部用=オリジナルJIGヘッドのマスター(原型)を製作するのに使います。


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ステップ@ 
JIGヘッドの原型を作る

ステップE 
ハンダを流しこむ
ステップA 
シリコン型を製作する
ステップF
JIGを型から取りだし、バリを取る
ステップB 
JIGフックの作成
ステップG 
完成
ステップC 
型にフックをセットする
ステップD 
鉛を溶かす
 


@ JIGヘッドの原型(マスター)を製作する

 
まず、オリジナルJIGヘッドの元となるマスターを製作します。

マスターは、エポキシパテ(エポキシ粘土)木部用を使って製作すると便利です。

このエポキシパテは、練り合わせて一定時間で固まるエポキシ系樹脂の粘土で、木部用は、硬化後の削りも簡単なのでJIGヘッドや、スピナ-ベイトヘッド等のマスター製作に便利です。

このエポキシパテを使い作りたいオルジナルのJIGヘッドの原型を製作します。
マスターは、成型後2〜5回のコーティングを行い表面の凸凹、ヤスリの跡を完全に消しておきます。


A シリコン型を製作する。

マスターが出来あがったら、次にシリコン2001を使いシリコン型を製作しましよう。

シリコン型の製作は、基本編の型の製作を参考に行ってください。

基本編 型の製作を参照する。

補足:鋳造目的の型製作での注意点
●必ず、注ぎ口は、最上部。エアー抜きの穴は最後部に配置します。
=鉛の型は、注ぎ口とエアー抜き穴の配置が悪いとうまく成型できない事があります。注ぎ口(鉛を注入する口)は、最上部。エアーー抜き穴は、鉛が流れ込む範囲の最後部(ワームキーパーの後ろ側)に配置するとスムーズに鉛が流れこみ精度の高い成型が可能です。
●鉛の鋳造用型は、エアー抜きの穴を注ぎ口と同じ方向に必ず開けます。
=溶解した鉛は、粘度が低いためエアー抜きの穴を注ぎ口(上方)に開けてないとその穴から固まる前に流れ出てしまいます。

B ジグフックの作成

型の準備が出来たら、次にJIGフックを作成しましょう。

JIGフックは、通常60度、90度の2種類が売られています。
基本的には、この販売されているフックを流用すればOKです。

マスターの形によっては、販売モデルのフックでは合わない場合があります。
この場合は、下記の要領で フックを作成します。

フック作成に必要な物
ステンレス線=#22番手
ワームフック
ヒートン(オープンタイプが使いやすい)
ラジオペンチ

@まずヒートンを使ってタイイングアイを作成します。
タイイングアイは、ヒートンのアールを利用して作成します。
(← 写真左→右の要領)


Aできたタイイングアイ部分をフックに接続して完成。
この形にすればタイイングアイとフックが可動式になりますから 、どの角度にも対応できるようになります。


C 型にフックをセットして鋳込みの準備する。 



では、いよいよJIGヘッドを鋳込んでみましょう。

(←写真)まず、型にフックをセットし、
(写真→)締金具で固定し、鋳込みの準備完了です。


D 鉛(ハンダ)を溶かす。

次に鉛(ハンダ)を、適当な鍋に入れコンロで熱し、溶かします。

 通常の鉛を溶かしても良いのですが、ここではステンレス用ハンダ(ヤニが入っていないハンダであれば何でもKO)を溶かし、鋳造に使います。

ワンポイントアドバイス
 このハンダは、鉛とズスの合金で鉛より若干比重が軽いのですが、硬度が高く融点も低いので、使いやすく、頑丈なJIGヘッドを作ることができます。 特に、スピナ-ベイト等の製作には,このハンダがオススメです。

 


E 溶けた鉛(ハンダ)を流しこむ

 (写真←)@鉛(ハンダ)が溶けたら、型に慎重に流しこみます。
   (写真→)A流しこんだら、鉛が十分冷えるまで静かに冷やします。

注意
@溶けた鉛は高温です。やけどに注意してください。
A型の内部が濡れていると、型内部で水蒸気爆発が起こり、大変危険です。必ず乾いた型である事を確認して流しこんでください。

 


F JIGヘッドを型から取りだし、余計なバリを削る。

 (写真←)@鉛が十分冷えたら、締金具を外し、JIGヘッドを取り出します。

 (写真→)A成形時にできたバリをヤスリ等で削り落とし、形を整えます。

 


G 完成

 バリの処理が終わったら、完成です。

おまけ
今回は、鉛の鋳造を一般的に入手しやすい道具で作ってみましたが、本格的に鋳造をするのであれば専門の溶鉱炉を使うと良いでしょう。
オススメは、LEE プロダクションポット。安価で使いやすい鋳込み機能付き溶鉱炉です。(→写真)

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