STEP3 2面型の製作〜プラスティック成型

原型からルアーシリコーンで型を取り、樹脂で複製を製作する過程を解説します。
ここでは、基本的な成型用2面分離型の製作方法を図解で解説します。
準備するもの


ルアーキャストソリッド400g(A剤200g、B剤200g)
ライガ ルアーシリコン2001
硬化剤(シリコンとセット)

離型剤
ブロック(おもちゃ)
油粘土
締金具



カップ(プラスティックのもの)
割ばし(混ぜる棒)
計量機
(できればデジタル計りがGOOD。なければ、1000円ぐらいのクッキングメーターで十分OK。)

彫刻刀

赤色の材料は、雑貨スターターキットに含まれるパーツです。単品でもHPショップで販売してます。材料の購入は↓をクリック!!


@ 型のベースとなる”枠作り”と下準備

 

(1) まず、型を作るための枠を作ります。
枠は、木枠、プラバン等いろいろな物で代用できますが、ここでは最も簡単で確実に作れる「ブロック」を使って枠を作りましょう。

型取りを行なうマスター(ここでは、まねきネコ)が余裕を持って入る大きさに、ブロックを組み合わせて外枠を作ります。

高さは、マスタの高さ(厚み)の2倍強が目安。
余裕を持って設定してください。
ちなみに今回は、 ブロック4個分です。

(2)外枠ができたらその中に「油粘土」を敷き詰めます。
この油粘土は、外枠の高さの約半分の高さに敷き詰めるのがコツです。
(この場合は、ブロック2個の高さ)
以上で、枠作りと型取りの下準備は終了。


A マスター(まねきネコ)の型取り

(1)写真の位置、方向を参考に、ルアー(原型)を油粘土に半分の位置まで埋め込みます。

注意!!
このとき原型を埋めこみすぎたり、逆に浅かったりすると、正確な2面割型ができなくなりますから、注意してください。

コツ!!
原型を埋めこむときは、枠に対して平行ではなく、写真のように斜めに傾けて埋めこんでください。
こうすることで、樹脂を注入したときに樹脂がなじみやすい性能のよい型となります。

(2)型の埋めこみが完了したら、原型の周囲に型合わせの凹凸を作るため、穴をあけます。(写真参照)
この穴は六角レンチや、筆の柄等を使うと上手く行きます。

B ルアーシリコンに硬化剤をまぜる。

(1)ルアーシリコンは、使用する前になるべく泡が立たないようによくかき混ぜてから使います。

(2)使う分だけ(片面分)カップに取ります。
通常、10cmほどの原型の型であれば、100gから200gが目安です。

(3)次に硬化剤を入れます。
硬化剤の比率は、 ルアーシリコン100gに対して約20滴です。

(4)ルアーシリコンと凝固剤をなるべく泡が立たないように十分攪拌してシリコーンの調合完了です。

参考
このシリコンは、高性能のため若干の分量違いは問題無く固まります。


C シリコンをハケ塗りする。
(重要)


(1) 先ほど調合したシリコンを筆を使い原型の表面全面に丁寧に塗ります。
← の写真のような状態ナなればOK。

コツ!!
このように全体に薄くシリコンを筆塗りする事で、細部まで確実にシリコンが流れ込み、又、型の表面に気泡の後が残る等、致命的なミスを防ぐ事が出来ます。



D シリコンを流し込む。

(1)まんべんなく筆でシリコンを塗ったら、1分ほどおいて(泡をぬくため)、その後静かに残りのシリコンを流し込みます。

シリコンは、原型が完全に埋没するまで注入します。

その後、約12時間で硬化完了です。

 


E 脱型してバリを取る。

 (1)シリコンが完全に硬化したことを確認し、ブロックを崩し、油粘土を除去します。
これで、2面割型の片面が完成です。


(2)完全に油粘土を取り除き、(油ねんどが残っていると正確な型が出来ません)次に片面にできたバリを 彫刻刀などで取り除きます。

コツ!!
原型は、シリコン側から簡単にはずれます。一度外して、原型とシリコンの接地部分にできた薄皮のようなバリは、丁寧に彫刻刀で削り落としましょう。その後、再度シリコン側に戻し、作業続行となります。


F 離型剤を塗布する。 

(1)硬化した片面のシリコン型を取り出し、型の周りに離型剤をまんべんなく薄く塗ります。

(2)再度、枠をセットし、次に型面にも流し込むシリコンが接着しないように離型剤をむらなく薄く塗布します。(→写真参照)

 

 

 

 


G 2面割型の残りの片面を作る。

(1)離型剤を塗布原型をセットしたものに、B、C、Dの作業を繰り返します。

その後、再度12時間待ち、完全硬化させます。

(2)完全硬化後、外枠を崩し、慎重にシリコン型を分離、マスター型を取り出すと→のような2面型ができあがります。


H「注入口」と「空気抜け穴」をつける。 

(1)2面型ができあがったら、次に彫刻刀などで、樹脂の注入口と空気抜きの穴を付けます。注入口3mm、空気抜きは2mm程度が目安です。
コツ!!
 空気抜け穴と注入口に位置はすごく重要。
 注入口から注いだ樹脂が下に流れ込み、上に開けた空気抜き穴の方に流れるように配置を決めます。
(写真→を参考にしてください。 ちなみに、黒く塗った部分の右側、太い部分が注入口。ネコの耳の部分から小さく開けているのが空気抜き穴です。)
  まず、型の一番下に樹脂が流れ込み、空気抜き穴にガイドされ最上部の耳の部分に流れ込むように配置されているのが分かると思います。

 これでルアーシリコン2001で作った2面割のメス型の完成です。

●プラスティック樹脂を流しこんでの成型工程●

H2面型を合わせ、締め金具で固定する(成型の準備)

さて、いよいよ2面型を使ってプラステイック成型を行ないましょう。

(1)上記H工程で完成した2面型を合わせて締金具で固定します。

(締金具は、スターターキットにセットされています。)

I樹脂を調合する

(1)ルアーキャストソリッドを調合します。
次に、A剤、B剤を1:1の割合で調合します。
混合は、デジタル計りを使い重さの単位を基準に調合してください
ここでは、A剤10g、B剤10g(1:1)を調合しました。
備考:
通常のクッキング計り(デジタルではないもの)の場合は、カップを載せたときに指した重さからプラス10gまで注ぎます。
例えば11gを指したのであればそこから10gですから21gとなります。

(2)調合が完了したら、A剤、B剤が完全に混ざるようにかくはんします。

J型に静かに素早く流しこむ

(1)かくはんが完了したら、1分以内を目安に型に流しこみます。
樹脂は、型からギリギリあふれ出ない程度を基準に多めに注ぎ込んでください。

K15分で完全硬化 

(1)型に流し込んだら、15分静かに待つ

(2)硬化を確認して、締金具を外し、シリコン型を慎重に分離する。

←マスター型と同じ「まねきネコ」が成型できている。

L完成

バリ取り後、塗装して完成。

←写真の白色後ろがマスター型。前がシリコン型で作った複製品。
細部までマスター型の特徴が再現されているのが分かります。